ハーブとして認識されているアンゼリカですが、シシウドと同属、またアンゼリカの代用に日本ではフキを使用してきたなど、日本で言う「山菜」と並ぶものの様です。
ですので、ここでは世界の山菜として扱ってみます。
アンゼリカ
身近に感じる「砂糖漬けのお話」
「ケーキの飾りでよく見かけた黄緑色の砂糖菓子」この元となった物がアンゼリカの砂糖漬け。アンゼリカを煮て砂糖に漬けたものを乾燥・砂糖をまぶしたものと言われています。ケーキに乗ったアンゼリカを日本でも・・・と発案されたものが今でも製菓材として売られている「フキの砂糖漬けアンゼリカ」です。
特徴
シシウド属(Angelica)にある「(和名)セイヨウトウキ(Angelica archangelica)」が一般的にアンゼリカと呼ばれているもの。
元はアルプスなどの寒冷な地域に自生していたものと言われています。
Angelicaは「天使」
Angelica archangelicaは「大天使の」
古くからヨーロッパでは、芳香が悪魔を除け病気を治す「天使のハーブ」と呼ばれて来たもの。
精油は「麝香(ムスク)の様な」香り、茎や葉は「セロリを甘くした様な」香り。
一般に案内されている作用
消化作用、ホルモン調節、免疫力の強化、鎮咳、利尿、発汗、去痰など。他にアルコールを嫌悪させる作用を持つとされアルコール依存症の治療に用いられるなども有るという。
草丈1~2mになる大型の多年草。
利用
茎は蜜煮(砂糖漬け)、葉は魚料理などの風味付けに、種子はリキュールの風味付けや香水に用いられる。
アンゼリカに似せて作られたものが黄緑色のフキの砂糖漬けですから、海外の砂糖漬けでの利用は、茎が緑色の状態のものだったのでしょう。
砂糖漬け
①若い茎を塩ゆでし冷水にさらす。
②皮を剝いて水に晒し灰汁を抜く。
③水分を拭き取り、砂糖に漬ける。
アンゼリカとシシウド
アンゼリカの見た目は、日本で観ることの出来る「シシウド」とよく似ています。
とは言え、シシウドも冷涼な環境を好むものなので、冷涼な山地、北海道でとなります。下の写真がシシウドです。
北海道では郊外のあちこちに咲くなじみの深い花。
7月上旬から咲きはじめ、下旬には種を付け始めます。
シシウドの茎
こちらの写真は、花の咲き終わったものの茎なので木の枝の様。春には黄緑色をしていた茎も赤みが出ていて山菜としていただける時期は過ぎています。
アンゼリカに言われる「セロリの様な香り」や、その種の「麝香(ムスク)の香り」などが含まれている様です。
※シシウドとよく似た「エゾニュウ」はフキの様な香りがします。昔にアンゼリカとして渡って来たものはフキと似ていたと・・・。エゾニュウもシシウド属(Angelica)にあるもの、こちらに近いタイプのものだったのか?と思いながら・・・。
ちなみにエゾニュウはシシウドより少し遅く7月中旬から下旬に花を咲かせます。
シシウドの種
一つ一つに種が付きます。
まとめ
海外での山菜の利用方法から、身近な山菜の魅力が見えて来ます。シシウド≒アンジェリカ。冷涼な地域に咲く人を癒す大きな花、北海道らしい植物ですね。
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